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病院事務って何?どんな仕事をしているの?
  • 2024.09.25

「病院事務」というお仕事、聞いたことありますか?

「医療事務」はよく聞きますが、「病院事務」はどのようなお仕事をしているのでしょうか?

「医療事務」とは別物なの?どうやったらなれるの?など「病院事務」についてのさまざまな疑問について調べました!

それでは「病院事務って何?どんな仕事をしているの?」についてお伝えしていきます。

目次

病院事務というお仕事

病院事務とはその名の通り、「病院に勤務する事務職員」のことを言います。
 
業務内容としては一般的な医療事務と同様であることも多く、受付業務やレセプト業務を担当することが多いようです。
 
しかし、病院によっては総務課や経理課など「総務事務」として、病院の運営に関わる部署に配属されるケースもあります。

医療事務との違い

一般的に、医療事務というお仕事は耳にする機会も多いでしょう。病院事務と医療事務の違いは、大きく一言で言えば勤務先の医療機関の規模の大きさです。
 
医療機関といっても、総合病院やクリニック、診療所など規模感はさまざまです。医療機関の中で、比較的規模の大きい病院でのお仕事を病院事務と呼ぶ場合があります。
 
病院にもよりますが、病院では、通常の外来患者だけでなく入院患者やドック受診者など、多くの患者さんが来院します。扱う患者さんが多いと、当然それに比例して業務量も多くなるでしょう。
そのため、大きな病院では科目や作業別でお仕事を分ける「分業制」を取り入れている病院が多くあります。
反対に、ローテーションで分業制をしてさまざまな業務を経験し、スキルの偏りを防ぐという病院もあるようです。
 
このように、クリニックや診療所の医療事務とは取り扱う業務が異なる場合があるため「病院事務」と区別して呼ばれることがあります。

病院事務の仕事内容

病院事務のお仕事は、基本的には医療事務のお仕事と同様になるため、基本的には以下のような業務を行っています。

  • 事務総合業務
  • クラーク業務
  • レセプト業務
  • 受付業務
  • 会計業務
実際どのような業務なのでしょうか?
詳しく見ていきます。

事務総合業務

医療事務の中でも病院事務だけにあると考えられる業務が「事務総合業務」です。
病院事務では、総務や人事、経理、経営企画、システム管理など、病院運営に関する業務を担当する場合があります。
 
上記のような業務内容を見て気づくように、病院の総務事務は一般企業における総務部門と似た仕事内容になります。
それだけでなく、診療報酬の入金管理や医療用品の発注など病院特有の業務もあります。
勤務する医療機関により、任される業務は多岐に渡ることになります。
 
事務総務では裏方の業務全般に対応する可能性が高いため、幅広い知識や見分が求められるでしょう。
 

クラーク業務

「クラーク(clerk)」は事務員を表します。

病院事務での「クラーク業務」は、実際に医療行為を行う医師や看護師のサポートをし、その業務を支える仕事を指します。
 
病院事務のクラーク業務はおおまかに二つの業務に分けられます。

  • 外来クラーク
  • 病棟クラーク
 それぞれに担う業務は異なります。
 

外来クラーク業務

「外来クラーク」では、外来診療に来た患者さんに関する事務業務を行います。
 
実際に行う業務は、通院する患者さんについてのさまざまな事務作業が中心となります。
そのため、受付や窓口で業務を行う病院が多いでしょう。
 
総合病院などの規模の大きい病院では最初に総合受付で受付を行ったあと、診療科ごとに受付を設けています。
結果として、多くの受付事務員が必要になるということです。
 
それらの外来患者についての業務を行う事務員を総括して「外来クラーク」と呼びます。
 
外来クラークの主な業務は、外来患者がスムーズな診察を受けられるようにサポートすることといえるでしょう。
具体的には、以下のような業務を行っています。

  • 患者さんの診察室への案内
  •  医療文書の作成補助
  • カルテや問診票の準備・代行入力、保管
  • 次回の診察予約
  • お会計への案内など…
文字通り、外来患者が診察を受けるために必要な裏方のほとんどを外来クラークが受け持っています。
日頃お世話になっている方も多くいるでしょう。

病棟クラーク業務

「病棟クラーク業務」では、患者さんの入退院に付随する事務業務を行います。
 
外来クラークが受付や窓口で業務を行うのに対し、病棟クラークは入院病棟などのナースステーションで業務を行います。
間近で医師や看護師らの医療関係者をサポートする業務となることが多く、他の医療事務よりも医療現場に近い業務といえるでしょう。
 
配属される病棟や診療科にもよりますが、総括して言えるのは忙しい医療関係者を事務面からサポートするのが病棟クラークの業務です。
 
入退院に関するさまざまな業務に携わりますが、具体的には以下のようなことがあります。

  • 入退院の手続き、説明
  • ナースステーションでの電話対応
  • 入院用カルテや台帳の管理
  • 点滴や投薬についての情報の管理
  • 入院中の食事の管理
  • 面会者の受付、案内
  • 他病棟や診療科との連絡業務
  • 病室のネームプレート作成…などなど
上記に挙げたものはほんの一例です。
細かい作業が多くあり、病棟クラークは入退院に関するほとんどの事務業務を扱っているということがわかります。
 
病院によってはより多くの事務業務を任されることもあるかもしれません。
入院患者と接することも多いため、患者さんが退院する際などには大きなやりがいを味わうことができるでしょう。

受付業務

医療事務と言われて、まず最初に思い浮かべる方も多い受付業務
こちらも病院事務の大切なお仕事と言えます。
 
外来クラークと共通する部分もありますが、受付業務では以下のような業務を行います。
  • 外来患者さんから保険証や診察券を預かる
  • 問診票の記入を依頼し、診察券を発行
  • 個人情報の入力
  • カルテの管理
医療機関には年配者から新生児を連れたお母さんまでさまざまな患者さんが、悩みを抱えて来院しています。

そのため、病院事務の受付業務には企業で働く一般事務職よりもさらに相手の立場に寄り添った応対や気遣いが必要になるでしょう。
 
このことは医療機関で働くすべての病院事務に共通して言えることになります。
 
医療機関で働くことを志すのであれば、まず相手を思いやるやさしさが大切かもしれませんね。

会計業務

こちらも患者側としてよくかかわる会計業務。
具体的には以下のような仕事をこなしています。
  • 診察を受けた患者のカルテの内容から診療費を計算
  • 明細書を作成
  • 患者に明細書を提示し、支払いをお願いする
  • 医療費についての質問に答える 
会計業務には常に誤りがないように心がける必要があります。
会計にミスがあった場合、患者だけでなく医療機関にも迷惑がかかるため正確に行うことが求められるでしょう。
 
反対に、慎重になりすぎて時間がかかりすぎると会計のために長く患者を待たせてしまいます。
 
つまり、会計業務は正確さ+迅速さが常に求められることになります。
 
近年は電子カルテや医療事務コンピュータなど、医療機関においてもIT化が進んでいます。
このような利便性に伴い、医療事務が会計業務に煩わされることは少なくなるかもしれません。
 

レセプト業務

レセプトとは「診療報酬明細書」のことを言います。
このレセプトを取り扱うのがレセプト業務です。
 
実は、レセプト業務は医療事務の仕事の中でも、最も重要であるとされています。
日本では医療保険制度が充実しており、診療後の会計で患者が支払うのは実際にかかっている診療費の一部のみです。
そして、医療保険の保険者である自治体や保険組合が残りの診療費を支払います。
 
この保険者への請求に必要な書類が『レセプト(診療報酬明細書)』です。
 
また、医療費の請求ができなければ、医師がいくら患者を診療をしても収入になりません。
収入がないと、当然ながら医療機関の経営が成り立たなくなってしまいます。
 
レセプト業務が重要である、と言われるのはこのためでしょう。
レセプト業務には、医療制度について幅広い知識はもちろん、高いスキルが求められます。

どうやってなるの?

病院事務は難しいように感じますが、未経験でも挑戦できるお仕事です。
 
ただ、病院によっては大学や短大卒以上の学歴が必要であったり、総務の経験がある社会人が優遇される場合もあるようです。
就職を希望する医療機関が決まっている場合などは、進路を決める前にきちんと確認しましょう。
 
未経験から始められるものの、就職後は医療機器や医療材料などについて一定の知識を得て、深めていく必要があるでしょう。
大学や短大、専門学校などでは病院事務になるために優位となる専門知識や、有益な資格を習得できます。
 
専門的な知識を身に付けておくと、スムーズに現場に出ることができるでしょう。

資格は必要?必要なスキルは?

前述の通り、未経験でも目指すことができる病院事務には働くために必要な資格はありません。
しかしながら、以下のようなスキルを求められることが多いです。
  • 基本的なパソコン操作
  • コミュニケーション能力
  • コツコツした作業を続けられる忍耐力
  • スケジュール等の管理能力
  • バランス感覚
近年、病院の事務作業は基本的にパソコンで行うため、タイピングなどの基本的なPCスキルは必須となるでしょう。

また、受付や会計で患者さんの応対をしたり、電話対応にはある程度のコミュニケーション能力も必要です。
患者さんや家族は診療や入院でナーバスになっていることもあるでしょう。
そんな患者さんたちの不安を和らげたり、不満を残さないようにするために、気持ちの良い対応ができる人が歓迎されます。
 
また、業務内容が多岐にわたり量も多いため、優先順位をもって仕事に取り組める管理能力やスピーディーに業務をこなす事も重要です。
それだけでなく、医療に関する庶務はちょっとしたミスが大きな問題に繋がります。
そのため、正確さと迅速さをバランス感覚よく業務を進められる人も、病院事務としての活躍が期待できます。

病院事務としてはたらく魅力

病院事務のお仕事について説明しました。
細かい気配りや煩雑な業務など、「自分にできるかな?」「続けていけるかな?」と不安に感じてしまった方もいるのではないでしょうか?
 
しかし、多忙であっても病院事務の方々は真摯に業務に打ち込んでいます。
大変なお仕事でも働き続けられるのは、その仕事に魅力や楽しさ、やりがいを感じられるからでしょう。
 
病院事務にはどんな魅力があるのでしょうか?
それぞれ詳しく見ていきましょう。

医療従事者としての役割を果たす

病院事務は直接的な治療行為は行わないものの、その業務内容から医療従事者として捉えられることがあります。
特にクラーク業務を行う病院事務員は、多忙を極める医師や看護師から感謝される機会が多くあるでしょう。
病院事務員の地道なサポートがあるからこそ、診療や治療に専念することができます。
 
このように治療に直接携わることはなくても、限りなくそのことに近い病院事務の業務は事務的な面で医療従事者としての役割を果たしています。 
これを実感できるのが、病院事務でやりがいを感じる一つでしょう。
 

人の役に立っているという実感

受付業務や会計業務、クラーク業務では、多くの方に感謝されます。
 
まず、受付業務や会計業務では日々多くの外来患者さんと、病院の「顔」として接します。 
さらに、入院患者さんも慣れない入院生活で、まず頼りにするのは看護師と病棟クラークです。
 
病院に来る人は、多かれ少なかれ不安な気持ちをもって来院します。
たとえ小さな事であっても、患者さんの不安や不満を解消してあげると「ありがとう」という感謝の声を直接聞くことができるでしょう。
 
感謝の言葉をもらうことで、「この人の役に立てたんだな」と実感できます。
この、患者さんからの感謝の言葉を直接聞けるという点は、仕事を続けるうえで非常に大きなやりがいに繋がります。
 

自信につながる

病院事務は、医療分野や保険分野などさまざまな面で専門的な知識やスキルが必要になります。
習得には苦労することも多いかもしれませんが、通常の一般企業では決して得ることのできない知識やスキルを身に付けることができるでしょう。
そしてそのことは、少なからず自分の自信につながります。
 
働いていくうえで、自分に自信が持てるということは大きなやりがいの一つです。

まとめ

いかがでしたか?今回は「病院事務って何?どんな仕事をしているの?」についてお伝えしました。
 
病院事務の仕事内容については以下の通りです。
  • 事務総務業務
  • 外来クラーク業務
  • 病棟クラーク業務
  • レセプト業務
  • 受付業務
  • 会計業務
病院事務を目指す方法は以下の通りです。
  • 未経験で目指せる
  • 資格は必要なし
  • 専門的な知識を身につけたいなら、大学や短大などへの進学がおススメ
  • 就職後は一定の知識の習得は不可欠
求められることが多いスキルは以下の通りです。
  • 基本的なパソコン操作
  • コミュニケーション能力
  • コツコツした作業を続けられる忍耐力
  • スケジュール等の管理能力
  • バランス感覚
病院事務としてはたらく魅力については以下の3点です。
  • 医療従事者としての役割を果たす
  • 人の役に立っているという実感
  • 自信につながる

医療現場を陰から支える病院事務のお仕事、格好良いですね。
少しかたい名前で、難しいイメージのある病院事務ですが、とても魅力のあるお仕事です。

専門知識などのハードルの高さに目が行きがちですが、まず大切なのは人を思いやる心でしょう。
社会人として、どのような仕事であっても学んでいく姿勢が必要なことは確かです。
命を預かる医療の現場で、あなたの仕事が医師や看護師の支えになるかもしれません。

興味のある方はぜひ、めざしてみてください!

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