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医療秘書と医療事務の違いは一体何?気になるお給料や仕事内容の違いとは?
  • 2023.08.23

「将来は病院で働きたい」もしくは病院に行った際に「受付の人優しかったなぁ。将来こんな風に働きたいなぁ」と、感じたことはありませんか?
 病院の受付業務をしているスタッフさんと医師の横にいるスタッフさんでは制服が違うことも多いですが、職種としてどんな違いがあるのかご存じですか?

「医療秘書?」「医療事務?」「外来or病棟クラーク?」など、頭の中にたくさんのハテナがあるかと思います。
 今回は、これから医療従事者として将来就職を考えているあなたの為に、医療秘書と医療事務の違いについて詳しくまとめてみました。

目次

医療秘書と医療事務の違いはここ!ポイントを押さえよう

医療秘書とは医師などに対しての「事務補助」がメイン

 医療秘書の業務は、事務業務、秘書業務、情報管理業務など多岐に渡りますが、主に医師などに対し、事務的なサポートをすることが多いです。医師が必要としたデータや情報をまとめたり、事務補助的なサポートを行います。
 
 医師達が主に入っている医局に配属された場合は「医局秘書」と言われることもありますが、基本的には「医療秘書」と同じ扱いになります。
 仕事内容としては、医師のスケジュール管理、電話対応、データ入力、医師から頼まれた書類管理、書類作成医師の補佐、医師と製薬会社のアポイント管理、学会に必要な書類準備や電子カルテを使った業務などもあります。患者様との接点はほとんどないですが、医師が直接患者様へ伝達することがあったりすると、患者様へ電話をかけたりすることもあります。
 
 医療秘書の業務は、医療従事者・関係者への対応がメインになることが多いです。
 医療機関によっては、医療秘書という名目で、電子カルテ操作を行うクラーク業務もあるようですが、医療秘書の本来の役割は、医師の事務的なサポートをすることです。

■医療秘書が求められること
  • スケジュール管理能力
  • データをまとめたり抽出するためのPCスキル(Excel、Wordなど)
  • 来客対応などに必要なコミュニケーションスキル
  • ある程度の医療専門用語
  • 責任感を持って仕事に望む姿勢

医療事務とは受付・会計・請求など「患者対応全般」がメイン

 医療機関(診療所・総合病院・クリニック)などで患者受付から会計、診療報酬請求といった業務を主に行います。
 病院に入った時、最初に目にするのは「受付カウンター」かと思います。ここでは、来院者の方全てに対応していきます。
 受付管理システムを操作しながら初診、再診、紹介状を持って来られた方の担当診療科の受付確認、保険証チェック、入院受付、診療報酬の請求の為の薬や検査やレセプトチェック、患者及び他部門との電話対応など多岐にわたります。
 会計業務や保険請求の件で確認事項があれば、ドクターや看護師、検査技師へ尋ねる必要があるので、病院関係者全体と関わってきます。また総合病院では、病棟のナースステーションに常駐し、病棟でのサマリーチェックや医療関係者のサポートを行う病棟クラークもいます。
 医療事務員でも、就職する病院の規模や標榜している科によって、診療報酬請求のレセプトや受付会計が全く無い仕事も十分有り得るということになりますが、一般的には患者対応がメインです。

医療事務が求められること
  • 患者対応などに必要なコミュニケーションスキル
  • 専用の医事システムや電子カルテ入力に必要なPCスキル
  • 臨機応変に対応するための適応力
  • ある程度の医療専門用語
  • スケジュール管理能力

医療秘書と医療事務の違いの詳細のまとめ

  医療秘書 医療事務
患者対応 無し 
※医局勤務の場合のみ
専門知識は必要?
医療事務ほどではないが、医療従事者が医師へ取り次いで欲しい時は専門用語で言われる可能性大 
PCスキル必要? ◎Excel、Wordは必須 
電子カルテ操作 ◯ 
働く部署 病棟や医局など  受付、外来、医事課など
電話対応の有無 ◎ 

よくある質問!医療秘書と医師事務作業補助の違いは?

 よくある質問として上がるのが、「医師事務作業補助者」と「医療秘書」の違いについてです。結論を先に言えば全く違います。病院によっては、求人を出す際に「医療秘書」という名目で医師事務作業補助者を募集しているところもあるようですが、業務内容は違います。
 医師事務作業補助者とは、医師の代わりに診断書やカルテ入力などを行います。医師の隣で、医師の指示のもと、電子カルテの入力などをしていき、医師がスムーズに診察を行えるようサポートします。患者対応もありますし、看護師や受付、各検査部門へのオーダーのやり取りも行います。医師事務作業補助者は、入職の前後を問わず、厚生労働省が定める32時間以上の研修を受ける必要があります。(後ほど説明します)
 常に診察に入っている為、患者さん一人一人の前回の処方箋の内容や検査の内容など、ドクターと同じくらいよく記憶していくようになります。その為、秘書のような役割と思われますが、上記で説明をした「医療秘書」とは行う業務が違います。
 また、医師事務作業補助者は、兼務が出来ない専従者です。病院によって業務は多岐にわたりますが、すべての業務は原則として医師の指示のもとで行われ、看護師や検査技師、医療事務など他の職種の人からの指示では行えません。

医療秘書と医療事務はどちらが就職に有利?

医療秘書の主な就職場所

 医局がある総合病院、大学病院、クリニックや診療所の院長補佐など

医療事務の主な就職場所

 クリニック・診療所・総合病院・大学病院、保険薬局・歯科訪問看護ステーション、派遣会社を通じての病院勤務もあり
 
 上記で説明したとおり、医療事務に比べて医療秘書は医師の事務的サポートになるので多忙な医師が在籍している規模が大きめな病院が募集をかけている所が多いようです。その分、就職できる場所が限られています。
 それに比べて医療事務は、募集をかけているクリニックや総合病院は多いと言えます。派遣会社を通じての就職の道もあり、その分就職の幅は広がります。

医療秘書と医療事務のお給料の違いは?

医療秘書のお給料事情は病院によって左右される

 医療秘書の給料は、正社員かパートなどの雇用条件でかなり平均年収が変わってきます。正社員で入ればボーナスなどをいただけることも多いです。医療秘書の中でも医局に勤務する医局秘書は、医局雇いと言って、医師達の医局費からお給料が算出される場合もあります。
 その場合、正社員ではなく契約社員やパートなどの勤務条件が多く、医局秘書はボーナスが無かったり病院によって雇用条件が異なります。その点は面接時に確認が必要でしょう。
 ですが、全くキャリアアップが期待できないかと言われれば、そうではありません。医局秘書としてキャリアアップを目指すのであれば、資格も視野に入れるのも良いでしょう。次項で説明いたします。

医療事務のお給料事情は経験や勤続年数で上がっていく

 医療事務の給料は、地域や勤務先、雇用条件によって平均年収が変わってきます。また、勤続年数によっても違ってくるようです。診療所やクリニックは個人で経営している為、正社員としてキャリアアップを目指してしっかり業務に取り組めば、ボーナスや昇給という形で答えてくれる病院がほとんどなので、自分次第という部分では、今後に大いに期待できます。

スキルアップしよう!医療秘書・医療事務へおすすめ資格!

医療秘書も資格があった方がいい?おすすめ資格を紹介!

 医療秘書は資格がなくても業務は可能です。しかし、自身のキャリアアップや即戦力として就職するためには、資格を取っておくと活かすことができます。

医療秘書検定
 日本医師会や、医療秘書教育全国協議会など、様々な団体から医療秘書検定を受けることができます。自身に合わせて団体も選択できる為、メリットがある資格ですが、カリキュラムを修了していることが必須だったり、各団体が出している基準をクリアにしながら進む必要があります。医療秘書の科目が学べる短大や専門学校に行けば問題ありません。
 検定内容も3級から1級まであり、特に準1級と1級は3人に1人しか合格できないレベルとのこと。上になればなるほど専門知識を要します。

医療秘書士
 医療秘書士は、医療秘書の初級資格となっており、医事課における受付業務や一般事務、統計、料金の徴収、医療事務などの業務を行います。
 医療事務と秘書業務に関する知識の両方を有していることを示す資格となっており、病院や医院はもちろんですが、薬の知識を活かしたドラッグストアへの就職も可能です。
 また、医療秘書の上級資格には「医療管理秘書士」があり、病院組織における管理者が本来の業務に専念できるように援助する秘書業務を担当します。

医師事務作業補助技能認定
 病院で医師の負担を軽減する代わりに設けられた医師事務作業補助者の認定試験です。もっと専門分野や、診療に関わりたい方へ向けた資格です。6ヶ月の研修期間が必要だったり、条件が必要な資格ですが、合格すればドクターズクラークの称号が与えられます。医療秘書から患者対応や、電子カルテ入力に付きたいともっと診療に関わりたいのであれば、実際病院で働きながらでも、通信講座で取得することが可能です。

医師事務作業補助技能認定を取得するに必要な条件(※2022年現在)
※1〜3のいずれか一つに該当する者
1.教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
2.医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
3.認定委員会が前各号と同等と認める者

医療事務が追加で取りたいおすすめ資格を紹介!

 医療事務も資格がなくても業務は可能です。ですが、多くの人はメディカルクラークなどの資格を取得している場合がほとんどです。自身のキャリアアップの為に追加で取得をおすすめする資格をご紹介します。

医事コンピュータ技能検定
 医事コンピュータ技能検定は、医療秘書教育全国協議会が発行しており、医療事務やコンピュータの基礎知識、レセプトコンピュータを使った正しいレセプトの作成技能などを測る試験となっています。
 現在、医療現場のIT化が大きく進展しており、コンピュータの知識を有する医療従事者の需要は非常に高まっています。
 特に、全国的にレセプトによるコンピュータを使ったオンライン請求が一般化してきており、医療従事者にとってレセプトコンピュータを使う業務は必須領域となっています。
 「医療事務および、医事コンピュータについて基礎的な知識を持っているか」を測る3級、「医療事務および、医事コンピュータについて一般的な知識を持っているか」を測る2級、「医療事務および、医事コンピュータについて専門的な知識を持っているか」を測る準1級の3つの難易度が用意されています。
 特に、準1級ではDPC(診断群分類別包括支払制度)に対する正しい理解や、やや複雑なカルテの専門ソフトによるレセプト作成といった領域も範囲となります。
 
診療報酬請求事務能力認定
 医療事務の関連資格の中でも最高レベルの難易度で、合格率は30%〜40%と言われておりこの資格を取得すれば、「実務経験者と同レベル」とされているレベルが高い資格です。
 試験の内容は学科と実技の試験があり、学科は保険関係から薬学一般実技は調剤報酬明細書の作成や点検などです。資料などの持ち込みは可能でおおよそ80分以内と言われています。本気で医療事務としてキャリアアップし、お給料をしっかり貰いたいのであれば、こちらの資格はおすすめです。

まとめ

 いかがだったでしょうか?今回の記事では医療事務と医療秘書の違いを説明いたしました。
 医師の近くで直接的なサポートを行う仕事としては、医師の事務サポートである医療秘書か、電子カルテや書類作成業務がメインの医師事務作業補助があります。患者対応や病院のメインとなるレセプト請求業務をするなら医療事務という選択肢があります。
これから医療秘書や医療事務として、どちらも選択できる立場であれば、それぞれの主となる仕事内容と、自身が目指している医療従事者の仕事の役割を確認しながら進むと良いでしょう。専門の学科に進めばまた違った道も見えてきますから、焦らずに自身のペースに合わせながら選んでいきましょう。

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