• TOP
  • 記事一覧
  • 医療秘書の仕事内容って?年収や将来性、就職に有利な資格となり方について解説

医療秘書の仕事内容って?年収や将来性、就職に有利な資格となり方について解説
  • 2023.07.26

高校卒業後の進路として、医療の現場で医師や看護師のサポートをする医療秘書に興味があるけれど、

「医療秘書の将来性が気になる」
「医療秘書、医療事務、メディカルクラークどれを目指すべきかわからない」
「医療事務職の年収は低いらしいけれど、実際どうなんだろう?」

など、疑問や悩みを抱えてはいませんか?

結論から言いますと、団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)になる「2025年問題」が控えている超高齢化社会である日本において、医療事務職のニーズは高まっています。
そして、医療事務職を志すならば、医療秘書を目指すことをオススメします。
なぜなら、医療秘書は、医療事務とメディカルクラークの業務を兼務できるため、就職にも有利といえるからです。

この記事では、医療秘書を目指して進学先選びをしている皆さんに向けて、以下のような流れで、医療秘書がどのような職業で、どうすれば医療秘書になれるのかについて、解説します。

目次

医療秘書とは

医療秘書とは、病院やクリニックなどの医療機関で、医師や看護師等の医療スタッフをサポートする仕事です。業務内容は大きく分けて事務業務、秘書業務、情報管理業務など、多岐に渡る点が大きな特徴。また、医療機関だけでなく、健康保険組合や医療メーカーなどでも活躍している、やりがいのある職業のひとつです。
 
医療秘書と混同しやすい職業に、一般企業の秘書、医療事務、メディカルクラークなどがあります。これらとの違いについて、確認していきましょう。

一般企業の秘書との違いとは

医療秘書と医療事務の大きな違いですが、一般企業の秘書は企業で役員や社長をサポートしますが、医療秘書は医療機関で病院経営者や医師をサポートする点が異なります。
 
業務上の違いですが、医療秘書には院長や医師などの医療スタッフの学会サポートがある点があげられます。スケジュールの管理、電話やメールなどの応対や、各種手配などの秘書業務は一般企業の秘書と共通です。

医療事務との違いとは

医療秘書と医療事務の大きな違いは、メインとなる業務が異なる点です。
医療事務は患者応対がメインになりますが、医療秘書は医療スタッフのサポートがメインとなります。
 
医療事務の主な業務内容は、医療機関の受付窓口や患者応対、会計処理を行うことです。また、診療報酬明細書の作成や電子カルテの代行入力と管理も行っています。
これらの業務は医療秘書も兼務します。ですが、医療事務は医療秘書の秘書業務を行うことはありません

メディカルクラークとの違いとは

医療機関で事務作業を行う職種には、医療秘書、医療事務の他に、メディカルクラーク(医療事務作業補助者)があります。
医療秘書とメディカルクラークの違いも、メインとなる業務が異なる点です。
 
メディカルクラークの主な業務は、医師が行う事務的な作業のサポートです。医師の指示のもと、電子カルテの入力、診断書、主治医意見書などの文書作成や、予約・検査などのオーダーリングシステムの入力業務を行い、医師の負担を軽減する役割を担っています。
 
メディカルクラーク(医師事務作業補助者)は、兼務が出来ない専従者です。病院によって業務は多岐にわたりますが、すべての業務は原則として医師の指示のもとで行われ、看護師や検査技師、医療事務など他の職種の人からの指示では行えません。
これは、「医師事務作業補助体制加算」の届け出をしている病院が、厚生労働省が定めた施設基準によって禁止業務が定められていることが理由なのですが、少し内容が難しいので、今回は割愛させていただきます。

医療秘書の業務内容とは

一般企業の秘書との違いや、医療機関で事務作業を行う職種の違いについて、説明しました。
ここからは、医療秘書の業務内容について、詳しく解説します。

秘書業務

院長や医師などの医療スタッフのスケジュールの管理、学会・会議への同行や出張の各種手配などの秘書業務を行います。
スケジュール管理は通常の診察はもちろんのこと、会議や学会のスケジュールについても医療秘書が管理します。
また、電話やメール、来客の応対なども、医療秘書に任される業務のひとつです。

事務・管理業務

医療秘書は、医療事務・メディカルクラークがメインで行っている業務も兼務します。
具体的には、窓口における患者の応対、診療報酬に関する手続き、電子カルテの入力、検査結果の整理と管理など、その範囲は多岐にわたります。
 
医療機関の受付業務には、医療保険制度の知識が必要です。そのため、医療秘書には専門的な知識も必要とされます。

院長・医師の学会サポート

医療秘書は、院長や医師が参加する学会で使う、研究成果をまとめた資料の作成のサポートなども行います。論文の検索やデータ入力、書類の作成などの補助を必要に応じて行います。

医療秘書の年収や将来性とは

医療秘書がどのような業務を担当しているのか、詳しく確認しました。
続いては、医療秘書として就職した際の報酬や、将来性について説明します。

医療秘書の給料・年収

求人サイトの統計データによると、医療秘書の平均年収は大きく幅があるようです。これは、正社員か、派遣・契約社員などの非正規社員なのか、雇用形態によって大きく異なることが理由のひとつです。
 
また、医療秘書は専門性の高い職種ですが、必要とされる国家資格がありません
必要とされる資格はありませんが、医療秘書として役立つ資格を持っていたり、勤務する医療機関の規模や勤続年数、実務経験に応じて給与額が上がる可能性を秘めています。正規雇用で就職すると、年2回のボーナスが出る場合もあります。
 
高い年収を得たいと考えるなら、正規雇用で就職を目指しましょう。
医療秘書としての知識・技能があることを示す資格を持っていることと、実務経験、もしくは学校などでの実務研修の経験があると有利です。
就職後は、実務経験と勤続年数を積み重ねることを意識すると良いでしょう。
医療秘書としての専門性を高めるだけでなく、秘書業務におけるビジネスマナーや所作を磨くこともオススメします。 

医療秘書の現状と将来性・今後の見通し

日本の医療現場では、深刻な人手不足に悩まされています
1947年〜1949年生まれの「団塊の世代」がすべて後期高齢者(75歳以上)となるのが2025年には、医療や介護などさまざまな面で深刻な事態に陥ると考えられています。それにともない、医療や介護職へのニーズも必然と加速していくでしょう。
 
医師や看護師が医療に集中するためにも、医療事務職のサポートが欠かせません。
医療事務職の中でも、医療事務とメディカルクラークの業務と秘書業務を担当できる医療秘書は、病院やクリニックに必要不可欠な存在になる可能性を秘めています。

医療秘書の就職先・活躍の場

医療秘書の主な就職先は、病院やクリニックなどの医療機関が一般的です。
関西女子短期大学 医療秘書学科の就職実績によると、総合・一般病院、診療所・クリニック、歯科医院、一般企業などの実績があります。
 ▶参考:関西女子短期大学 医療秘書学科 資格・就職情報

医療秘書にオススメの資格とは

医療秘書として就職する場合、特定の養成機関での学習や単位、資格などは必要ありません。ですが、医療秘書の知識や業務ができることを示す必要があります
ここでは、医療秘書として最低限の知識があることを証明でき、就職に有利となる資格を3つ紹介します。
医療秘書技能検定
一般社団法人医療秘書全国協議会が主催する、医療秘書の専門知識と技能を認定するための検定です。
医療秘書技能検定は、医療事務におけるスペシャリストを目指す人にとって必須資格のひとつといわれています。
 
検定は年2回実施されており、受験資格はありません。
受験の流れですが、医療秘書全国協議会のWebページに受験日程が公開されています。
受験したい日程に対応する受付期間中に、願書の郵送と受験料を納入。
試験日の2週間前に届く受験票を持って、試験会場で試験を受けるという流れです。
合否通知は、試験終了後の約1ヶ月半後に郵送でされます。
 
医療秘書実務や医療機関の組織・運営、医療関連法規に関する領域Ⅰ、医学的基礎知識や医療関連知識を範囲とする領域Ⅱ、レセプト作成や診療報酬点数の理解に関する領域Ⅲという、3つの分野で出題されます。合格には、3つすべての分野で60点以上の正解が必要とされています。
 
審査基準は、1級、準1級、2級、3級の4つ。
医療秘書として専門的な知識と技能を求められる準1級、更に高度な知識と技能が求められる1級を取得していると、就職において有利になるだけでなく、大きな信頼も得られるでしょう。
 
採用条件で必須としている医療機関も存在しているため、優先的に取得したい資格のひとつです。資格取得を支援している医療秘書に関連する学科・カリキュラムのある学校もあります。

■日本医師会認定医療秘書
日本医師会が認定する、医療秘書の資格のひとつ。日本医師会、もしくは日本医師会が認定する外部の養成機関への入学が必要となる点が大きな特徴です。
 
資格取得までの流れですが、日本医師会が認定する養成機関でのカリキュラムを修了し、認定試験を受けます。認定試験の合格後、さらに規定の秘書技能科目を取得することで、認定が受けられるという流れです。
 
養成には、県医師会が直接養成を行う通信制と、県医師会が外部教育機関に養成を委託する全日制の2種類があります。
カリキュラムを修めるまでに、通信制は2年間、全日制は1年以上と、取得までの期間が長いことが大きな特徴です。
日本医師会が専門的な医療事務の知識と最新の情報処理技能を兼ね備えた人材であることを証明できる資格ですので、医療秘書として就職する際に有利になる資格と言えるでしょう。

■医療秘書資格
日本能力開発推進協会(JADP)が主催する、医療秘書の資格のひとつです。
協会指定の認定機関のカリキュラムを修了する必要があります。
 
資格取得までの流れですが、まずはキャリアカレッジジャパンの「医療秘書講座」を通信教育で約三か月受講します。その後、日本能力開発推進協会のWebページ上で検定試験申し込みの手続きを行い、費用を納入。発送された試験問題に在宅で取り組む流れです。
 
医療秘書技能検定や日本医師会認定医療秘書に比べると、通信教育と在宅での受験が可能な点が大きな強み。社会人をしながら、医療秘書への転職を考えている方にも取得しやすい資格です。

医療秘書になるための方法とは

医療秘書として最低限の知識があることを証明するために、医療秘書技能検定を取得しておくと良いでしょう。
ここでは、医療秘書になるために必要な、医療秘書技能検定の取得方法について3つ紹介します。
市販テキストでの独学、通信講座
書店やインターネットで、医療秘書技能検定のテキスト・問題集を購入し、独学で勉強する方法です。通信講座であれば、独学よりも専門的な知識も得られるでしょう。
 
スクールや大学・短大への通学と比べると、費用が抑えられる点が大きな強みと言えるでしょう。また、早朝でも深夜でも、都合のいいタイミングで学習できる点も魅力です。

資格スクールへ通学
資格スクールは、講座を受講して資格を取得できる点が特徴的で、独学や通信講座に比べると専門性が高くなります。基本的には通学になりますが、オンラインライブによる授業配信を行っているスクールもあります。
 
平日、土日、短期などの生活に合わせた受講スタイルを選べる点も、強みのひとつ。
社会人をしながら、医療秘書への転職を考えている方にオススメの方法です。

大学・短大・専門学校への進学
医療秘書に関連する学科・カリキュラムのある、大学・短大・専門学校へ進学する方法です。医療秘書に必要な専門的な知識はもちろんのこと、医療の現場で実際に行われている業務を実習、経験できる点が、大きな強みといえます。
 
医療秘書技能検定の資格取得だけでなく、英語などの外国語科目、医療現場や秘書業務に必要となるコンピュータ操作・情報処理なども学べるため、医療機関だけでなく一般企業への就職も視野に入れることができます。
 
独学、通信講座、資格スクールに比べると費用は必要になりますが、実習による実務経験が得られることと、専門性の高い医療知識と資格取得ができるため、就職に有利な方法だと言えます。
これから高校を卒業し、医療事務職に携わりたいという方にオススメの方法です。
 ▶参考:関西女子短期大学 受験生応援サイト 医療秘書学科

医療秘書を目指すなら、資格が取得できる学校への進学がオススメ

医療秘書は、医師や看護師のサポートをメインとした、医療事務職のひとつ。
医療事務やメディカルクラークが行う事務や管理業務、医師のスケジュール管理や電話や来客の応対などの秘書業務、院長や医師が学会で使う資料の作成やサポートなど、幅広い業務を担当し、医療の現場で活躍できる職業です。
 
医療秘書として十分な年収を得たいなら、規模の大きい医療機関に正社員として就職すると良いでしょう。医療秘書としての知識・技能を有していることを示す資格と、実務経験、もしくは実習経験の有無が重要になってきます。
 
そのため、医療秘書になるための進学先に、
  • 医療秘書に関連する資格取得を支援してくれる環境がある
  • 医療現場の実習カリキュラムがある
このような大学・短大・専門学校を選んでみてはどうでしょうか。

RECOMMENDATION

あなたにおすすめの記事