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医療秘書になるには大学へ通うべき?仕事の内容や就職に有利な資格をご紹介
  • 2023.09.29

「医療秘書として働きたいけど、どうしたら良い?」
「どんな学校に行くと、医療秘書になれる?」
このような疑問を持っていませんか?

医療秘書とは、医師やスタッフがスムーズに働けるようサポートする仕事のことです。
より良い環境を作ることで、患者さんを助ける仕事にも繋がると言えるでしょう。
近年、医療秘書は幅広い働き方ができる職業として、注目されつつあります。
とはいえ、医療秘書になるにはどうしたら良いのか、分からない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、以下のことをお伝えします。

目次

医療秘書になるには

医療秘書になるには、以下の2点が挙げられます。
  • 採用試験を受ける
  • 学校で勉強する
1つずつ、解説します。

採用試験を受ける

医療秘書として働くためには、病院や診療所が行っている採用試験を受ける必要があります。働いてみたい病院の求人を見つけて、応募しましょう。
医療秘書になるために、特別な資格は必要ありません。しかし、経験者が優遇される場合が多く見受けられます。
医療分野に関わったことのない人が、条件の良いところで働くのは難しい場合もあります。
そのため、大学などの学校に通って、医療秘書について学ぶという方法があります。他には、医療事務から経験を積む方法が挙げられます。
医療秘書も受付業務や書類作成などをすることがあるので、医療事務の仕事内容を知っていて損はありません。とはいえ、未経験から全てを学ぶのは、とても大変です。
また、働きながらだと、秘書業務についての知識を学ぶ機会にあまり恵まれません。
そのため学校に通って、体系的な知識を身に付けてから挑戦することをおすすめします。

学校で勉強する

医療秘書になりたい人は、学校で勉強するケースが多く見受けられます。
なぜなら現場で必要な知識を事前に学んでおくことで、即戦力として働けるようになるからです。
医療秘書について学べる学校は、主に以下の4種類です。
  • 大学
  • 短大
  • 専門学校
  • 通信講座
授業の一環として、医療秘書に役立つ資格取得を支援する学校もあります。
 
学校では、一般的な医療知識についても学べます。
医療現場では専門用語を使うことが多いため、学校に通って基礎的な知識を身に付けましょう。

医療秘書の仕事内容

医療秘書の仕事内容や医療事務との違いについて、解説します。 

事務・管理業務

事務・管理業務として挙げられる主な業務は、以下の通りです。
  • 患者さんの対応
  • 入院時の病室手配
  • レセプト作成
  • カルテ管理、診療記録の入力
  • 行政上の手続き
医療秘書は、医療事務の仕事を兼任する場合があります。
そのため、医療事務として経験を積んだ人が、医療秘書として採用されるケースもあります。
医療機関にもよりますが、全てが同じ業務であるとは限りません。
医療秘書は事務・管理業務に加えて、秘書業務を行う必要があります。

秘書業務

秘書業務として挙げられる主な業務は、以下の通りです。
  • 医師のスケジュール管理
  • 出張手配
  • 来客や電話の対応、アポ取り
  • 学会発表での書類作成、同行
  • 他の診療科への情報伝達
  • 学術支援業務(研究データの入力や論文検索など)
医療秘書は医師をサポートするという点で、スケジュール管理などを任されることがあります。
来客対応をしたり、学会発表の補助をしたり、業務は多岐に渡ります。
病院全体へ情報伝達して、医師とスタッフの架け橋になることもあります。
医療秘書は、業務を通じて、医師やスタッフを支えることができます。

医療事務との違い

医療事務と医療秘書は、似ているようで業務内容は少し違います。
主に誰をサポートするかで、違いが分かりやすくなるでしょう。
 
医療事務は患者さん、医療秘書は病院で働く医療従事者をサポートします。
医療事務の主な業務内容は、患者さんがスムーズに診察を受けられるようにサポートすることです。
一方で医療秘書は、医師や医療従事者が働きやすい医療現場を実現させることです。
とはいえ、医療事務が医師や医療従事者を、医療秘書が患者さんを全くサポートしないのかというと、そうではありません。
どちらの職種も「よりよい医療現場作り」を目指す役割を担っています。
また、医療機関によって、医療秘書の業務内容が変わることもあります。
医療事務と明確な線引きをしているところもあれば、そうでない場合もあります。
応募する時は、自分がやりたいと思う業務かどうか、求人内容をよく確認するようにしましょう。

医療秘書の主な勤務先

医療秘書の主な勤務先について、ご紹介します。

病院

日本では、20人以上が入院できる施設のことを、病院と定義しています。
クリニック(診療所)よりも規模が大きく、医師や看護師などのスタッフも多いことが特徴です。
総合病院や大学病院のような大きいところでは、複数医師のスケジュールを管理することもあります。
業務内容は病院によって様々なので、医療秘書に何が求められるのか見極めることが重要です。

クリニック(診療所)

入院できる病床がない、あるいは19人以下の入院施設を所有しているところがクリニック(診療所)と定義されています。
病院よりも医師や看護師の働いている人数が少ないことが、特徴です。
医師のスケジュール管理に加えて、受付業務やレセプト業務を行うクリニックもあります。
医療秘書と医療事務の役割を兼ねているかどうか等、業務内容を応募する前に確認する必要があります。

薬局

就職先としては病院やクリニックの比率が高い医療秘書ですが、その他の進路に進む人もいます。
例えば薬局で、患者さんと薬剤師のサポートをする医療秘書も見受けられます。
その場合は秘書業務というより、事務的な面でサポートすることが多いようです。
薬局事務としての経験を積める一方で、薬に関する専門的な知識も必要とされるでしょう。
求人情報は病院やクリニックほど多くはありませんが、選択肢の1つとして挙げられます。
 

医療秘書の1日の流れ

一般的な医療秘書の大まかな1日の流れを、病院とクリニック(診療所)に分けてご紹介します。 
■病院の場合※一例
出勤 制服に着替え、ミーティングや情報の収集から始める
午前の受付業務 事務的な業務
職員の朝礼に参加する場合もあり
来客対応や電話対応
休憩 午前の業務が終了すると、休憩に入る
午後の業務 学会データの収集、資料作成
会議に同行、学会の発表補佐など
終業 翌日に対応する業務の確認
クリニックの場合※一例
出勤 制服に着替え、担当医師と1日の予約を確認
午前の受付業務 事務的な業務
来客対応や電話対応
休憩 午前の業務が終了すると、休憩に入る
午後の業務 診察がスムーズに行えるようにサポート
スケジュールの調整など
終業 翌日に対応する業務の確認
病院とクリニックでは、医療秘書が求められる役割が違うと言えるでしょう。
どのように医師をサポートしたいかによって、就職先を検討してみると良いですよ。

医療秘書について勉強できる学校

医療秘書について学べる学校とはどのような所なのか、ご紹介します。

医療秘書について学べる学部

医療大学や福祉大学などでは、医療秘書について学べる学部を設置しているところが多く見受けられます。
しかし大学名に「医療」「福祉」がついていない場合や短期大学の場合でも、医療秘書について学べます。
どちらも共通して言えるのは、福祉学科や医療系のコースがあることです。
生活学科という学科名でも、医療秘書を学べるコースを提供している大学もあります。
なかには医療秘書に特化した「医療秘書学科」を設けている大学もあるので、気になるところは調べてメモしておきましょう。
 ▶参考:関西女子短期大学 医療秘書学科

医療秘書について学べる大学では、資格の取得を支援している場合がほとんどです。
在学中に資格を取っておくと、就職にも有利になります。
気になる大学があれば、資料請求をしてオープンキャンパスに行ってみましょう。
 

履修する科目

大学などの学校で履修する科目の一例は、以下の通りです。
  • 医学入門
  • 人体の構造と機能
  • 電子カルテ演習
  • 診療報酬請求事務演習
  • 保健医療関連法規
  • 病院管理学
  • 医療秘書病院実習
主に医療分野や秘書業務の基礎知識について、学びます。医療秘書では学会資料の作成を手伝うこともあるため、専門的な知識を求められる可能性もあるからです。
医療分野と秘書についての知識を深めたあとは、病院実習に行ける学校もあります。実習に行けば実際の現場を見られるので、具体的に就職イメージができるようになるでしょう。
就職後は即戦力として働けるように、幅広い分野の知識を身に付けると就職活動において有利になります。

医療秘書になるために学校へ通うメリット

医療事務になるために学校へ通うメリットは、以下の通りです。
  • 医療に関する知識を深められる
  • 資格取得のために時間を使える
  • 実習で現場を知れる

医療に関する知識を深められる

医療秘書になるには、医療分野の知識が必要になる場面が多くあるでしょう。
なぜなら学会発表の資料作りなど、専門用語が必要な書類を作成する機会もあるからです。
資料作りの他にも、医療現場で何が起きているか正確に把握し、スケジュール管理する必要があります。
そのためにも、医療的な知識は欠かせません。

短期大学を始めとする学校に通う魅力として、就職してから役立つ一般的な医療知識を学べることが挙げられます。
他にも医療事務として必要なスキルを学べる学校もあり、将来の選択肢が増える可能性があります。

資格取得のために時間を使える

短期大学を始めとする学校では、医療秘書として役立つ資格を取得できる授業があります。 例えば「医療秘書技能検定試験」は、就職活動する点においてアピールできるポイントです。
医療秘書として働くには、絶対に必要な資格がありません。そのため他の人との差別化を図るために、資格を取っておいて損はないでしょう。
学生の間は学校の施設などを使ってじっくり時間をかけて勉強できるので、より深く医療秘書について学べます。

実習で現場を知れる

医療秘書に特化した学校へ進学すると、就職前に病院などの実習に参加できます。働く前に現場を知ることは、就職においてとても貴重な機会となるでしょう。
 
なぜなら実際に自分が体験して感じたことを、面接でアピールできるからです。未経験者が医療秘書として働く場合、経験がないので想像で話すしかありません。
しかし、こうした学校へ通うと、実習での経験を活かせます。実習で医療現場のリアルを知れば、医療秘書としてのスキルも高まるでしょう。 

医療秘書関連の資格

大学でも資格取得を支援している民間資格の例を、ご紹介します。

医療秘書技能検定試験

一般社団法人医療秘書全国協議会が主催する、医療秘書の専門知識と技能を認定するための検定です。
医療秘書技能検定は、スペシャリストを目指す人にとって必須資格のひとつといわれています。
3級から1級までの4段階が設定されており、3つの分野を勉強しておく必要があります。検定の主な内容は、以下の通りです。 

【領域1】
  • 医療秘書実務
  • 医療機関の組織・運営、医療関連法規
【領域2】
  • 医学的基礎知識
  • 医療関連知識
【領域3】
  • 医療事務(レセプト作成、診療報酬点数表の理解)
 ▶引用:医療秘書技能検定試験

どの分野も、医療秘書として働くには欠かせない知識です。
医療秘書として専門的な知識と技能を求められる準1級、更に高度な知識と技能が求められる1級を取得していると、就職において有利になるだけでなく、大きな信頼も得られるでしょう。

医療秘書士

一般社団法人医療教育協会が発行している、医療秘書の初級資格となります。
この資格を取得すると、医事課における受付業務や一般事務、統計、料金の徴収、医療事務などの業務処理を行う上で役立てることができます。

試験科目は以下になります。
  • 医療管理学概論(医事・医療・精神保健各法を含む)
  • 医療秘書実務
  • 医療業務に関する医学一般
  • 医療業務に関する薬の知識(医療管理学に含む)
  • 医療事務総論(医療保険制度)/医療保険請求事務演習(併せて医療事務演習)
  • 情報処理・実技
 ▶引用:一般社団法人医療教育協会 医療秘書士

資格の取得には、一般社団法人医療教育協会が指定した全国各地の大学・短期大学・専門学校に通学することで医療事務に必要な専門知識を養うことが求められます。
その上で、年に2回(10月/1月)行われる「医療管理秘書士」の全国統一試験に合格する必要があります。

秘書技能検定

文部科学省が後援している、秘書に特化した検定試験です。3級から1級まで、4つの難易度から構成されています。
主な試験内容は、以下の通りです。

【理論】
  • 必要とされる資質
  • 職務知識
  • 一般知識
【実技】
  • マナー・接遇
  • 技能
 ▶引用:秘書技能検定

秘書としてのビジネスマナーを、身に付けられます。立ち振る舞いについて勉強しておくと、病院以外の外部機関と接する時に役立つでしょう。

医療秘書に向いている人

 医療秘書に向いている人の特徴として、以下の3点が挙げられます。
  • 医療全般に興味・関心がある人
  • サポートするのが好きな人
  • 気配りができる人
1つずつ、解説します。

医療全般に興味・関心がある人

医療秘書として働くなら、病院や診療所で起こっていることを正確に把握しておく必要があるため、医療についての知識が必要不可欠です。
他にも医師のスケジュール管理や来客対応、資料作成などで専門用語が必要になる場面もあるでしょう。
必要な医療知識がなければ、どの場面にも対応できません。
医療現場での働き手として、医療全般に興味・関心がある人は医療秘書に向いていると言えます。

サポートすることにやりがいを感じる人

医療秘書は、医師や医療従事者の働きやすい環境を整えるため、サポートをすることが得意な人に向いています。
病院や診療所がスムーズに機能するよう、医療秘書の腕の見せ所でもあります。
自分がサポートすることで、医療現場の人が気持ちよく働ける姿を見られるのも医療秘書の特権。
「サポートすることにやりがいを感じる人」は、医療秘書に向いていると言えるでしょう。 

気配りができる人

現場の空気を読んで、「今必要なことは何なのか?」と考えられるスキルも、医療秘書に求められます。
そのため普段から気配りが出来る人は、医療秘書に向いていると言えるでしょう。
とはいえ、最初から完璧に気配りができる人は、あまりいません。
経験を積んだからこそ分かることもあるので、焦る必要はないでしょう。
ただし現場を良くするために、常に何が求められているかを考える姿勢は、とても大切です。

医療秘書に関するQ&A

医療秘書についてよくある質問に、お答えします。

医療秘書の給料はどれくらい?

医療秘書として働いている正社員の平均年収は、400万程度だと言われています。
ただし、地域や医療機関によって条件は様々なので、一概には言えません。
 
医療秘書の給料は経験実績と実力に左右されるとされます。
医師や看護師のように国家試験に合格する必要がないので、スタート時点では医師や看護師と比べると低めであるといわれますが、資格を取ったり経験を積んだりすることで、収入アップが見込めます。
医療秘書や医療事務のリーダー格に昇格できれば、500万円~800万円も可能だと言われています。
積極的に取り組むことが大切ですね。
 ▶参考:資格Times

給料の良い病院で働くにはどうすれば良い?

幅広い業務を行える人の方が、就職先を選びやすい傾向にあります。
医療現場では、即戦力となる人材が重宝されるからです。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
  • 医療秘書について、専門的に学んだ経験がある
  • 医療事務の業務内容もカバーできる
  • 医療秘書に関する資格を取得している
  • 医療秘書としての経験、実績が豊富
働く場所によって条件は様々なので、求人情報はこまめにチェックするようにしましょう。
将来的なスキルアップのためにも、医療事務と医療秘書を兼業で行う病院で働くのも1つの方法です。

医療秘書になって、医療従事者の力になろう

医療秘書は、医療現場に欠かせない職業です。
医師や医療従事者をサポートすることで、スタッフが働きやすい環境を作れるようになります。
大学で医療秘書について学ぶと、医療現場で即戦力として働けるスキルが身に付けられます。
少しでも気になるなら、資料請求をしてオープンキャンパスに行ってみましょう。
 ▶参考:関西女子短期大学 オープンキャンパス

先輩の話を聞くと、具体的な進学先がイメージしやすくなりますよ。
自分の求めるスキルを学べる、学校選びをしてくださいね。

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