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保育士になるための条件って?どんな資格が必要なの?
  • 2025.01.22

 この記事は保育士をめざす高校生以下の方に向けて書いています。

「どうやったら保育士になれるんだろう」
「どんな学校に行ったらいいんだろう?」
「何か資格は必要なの?」

 きっと分からないことがたくさんありますよね。この記事では、保育士になるための学校選びや、保育士になるために必要な資格などについて解説していきます。

目次

保育士と幼稚園教諭の違い

 保育士になるための説明をする前に、保育士と幼稚園教諭の違いは知っていますか?
 どちらも未就学児を預かるという点は共通していますが、働く場所や仕事内容、必要な資格に違いがあります。
 まずは保育士と幼稚園教諭の違いを簡単に見ていきましょう。

保育士

  • 資格:保育士資格
  • 資格管轄:厚生労働省
  • 保育対象:0歳~小学校就学前
  • 目的:保育に欠ける乳児・幼児を保育し、基本の生活習慣を養う(「保育に欠ける」とは、保護者が仕事や病気療養などで保育ができない時間がある状況)
  • 主な職場:保育所(保育園)、認定こども園、乳児院、児童養護施設など

幼稚園教諭

  • 資格:幼稚園教諭免許状
  • 資格管轄:文部科学省
  • 保育対象:3歳~小学校就学前
  • 目的:満3歳以上の幼児に対して就学前教育を行う
  • 主な職場:幼稚園、認定こども園

働く場所の違い、特徴

 保育所(保育園)は児童福祉法に基づいて設置された『児童福祉施設』で、こども家庭庁が管轄しています。働くには保育士資格が必要です。

 保育所は、保護者が共働きだったり、病気療養中だったり、保育ができない状況にある場合に乳幼児を預かることを主な目的としています。
 そして保育士が保護者に代わって子どもの保育を行い、身体面・精神面での健康的な発達を支援しています。簡単に言うと、お父さんやお母さんが子どもの世話ができない時間帯に、親代わりになる場が保育所です。

 一方、幼稚園は教育基本法に基づく『教育施設』で、文部科学省とこども家庭庁が連携して管轄しています。働くには幼稚園教諭免許状が必要です。

 幼稚園は、幼稚園教諭免許状を持つ教員、そしてクラスメイトなどから、集団生活のルールや生活習慣を学ぶ教育機関です。
 言葉や数字の学習をはじめ、幼稚園によっては音楽、絵画、書道などを学ぶ機会もあります。小学校に入る前の学校というイメージですね。
 
 保育所も幼稚園も、子どもをあずける施設という点は共通しているものの、その目的は全く違うものです。

 保育所、幼稚園の他に最近は「認定こども園」という施設が増えてきており、主流になっています。
 認定こども園は、教育・保育を一体的に行う施設です。いわば保育所と幼稚園の両方の良さを併せ持っている施設のことで、以下の機能を備えています。
  1. 就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能(保護者が働いている、いないにかかわらず受け入れて、教育・保育を一体的に行う機能)
  2. 地域における子育て支援を行う機能(すべての子育て家庭を対象に、子育て不安に対応した相談活動や、親子の集いの場の提供などを行う機能)
 また、認定こども園には「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4つのタイプがあります。

 認定こども園で働くには、「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方を有していることが原則ですが、認定こども園の類型や条件によっては、いずれかの免許状・資格を有していれば働くことが可能です。
 ▶参考:こども家庭庁

保育士になるために必要な資格

 ここからは保育士になるための条件について解説していきます。
 まずはじめに、保育士になるには『保育士資格』が必要になります。これは児童福祉法第18条の4で定められた国家資格です。
 
 保育士資格が国家資格になったのはわりと最近のことで、少し前までは保育士は「保母さん」と呼ばれていました。
 平成11年(1999年)4月に児童福祉法施行令が改正され、平成15年(2003年)11月に児童福祉法が改正され国家資格となりました。そこから男女関係なく「保育士」という名称に統一されました。

 また、幼稚園教諭になる場合は「幼稚園教諭免許状(一種・二種・専修)」が必要です。保育士資格では幼稚園教諭にはなれませんので注意しましょう。

 さて、保育士になるには保育士資格が必要だというところまでは分かりました。次は具体的に、どのようにすれば資格が取れるのかを確認していきましょう。

保育士資格を取得するには

 資格取得のためには、大きく分けて2つの方法があります。
  1. 指定保育士養成施設で必要な単位を修得し、卒業する
  2. 保育士試験に合格する
 まずは『1. 指定保育士養成施設で必要な単位を修得し、卒業する』から説明していきます。

1. 指定保育士養成施設で必要な単位を修得し、卒業する

  これは厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」である4年制大学・短期大学、専門学校に進学し、必要な単位を修得し卒業することで、自動的に保育士資格が取得できるというものです。

 メリットとしては、必要な単位を修得し卒業すれば、国家試験を受けなくても資格が取得できることです。
 4年制大学・短期大学、専門学校それぞれの特徴についても順番に説明していきます。
 
4年制大学
 一般的に、教育学部・社会福祉学部・人文学部・家政学部などに保育士養成に特化した学科が設けられていることが多いです。
 学科としては保育学科・子ども学科・児童学科・幼児教育学科などになりますが、大学によって名称はさまざまです。
 ここで注意しないといけないのは、今あげた学部や学科であれば必ず保育士資格を取得できるというものではないという点です。
 大学卒業と同時に保育士の資格取得をしたい場合は、以下の点に注意しましょう。
  • 厚生労働大臣の指定する「指定保育士養成施設」であること
  • 保育士資格が卒業と同時に取得できる学部学科であること
 大学は在学期間が4年間あるため、2年制の短期大学や専門学校に比べて長く勉強します。
 子どもの心理や障害児などの特定の分野についても深く学べます。
 ただし、在学期間が長いため、学費が短期大学や専門学校に比べると高くなることがデメリットと言えます。

短期大学
 大学と同様に、厚生労働大臣の指定する「指定保育士養成施設」で必要な単位を修得すれば、卒業と同時に保育士の資格を取得することができます。

 短期大学は2〜3年間で保育士をめざすことができるため、大学よりも学費を抑え、保育士として早く社会人になることができるメリットがあります。
 短大によっては保育士だけでなく、幼稚園教諭や保育に活かせる資格の取得をめざすことができます。専門学校と違い、外国語や心理学などの一般教養科目の授業もあり、保育士として働き出した後に役立つ幅広い知識を学ぶことが可能です。
 ただし、専門科目、実技科目、実習、一般教養科目など幅広い知識を短期間に学ぶため、時間に追われることも多く、時間的に余裕がないのがデメリットです。
 そのため、2年間と同じ学費で3年間、余裕をもって学ぶことができる、長期履修制度を導入している短大もあります。
 
 さらに深く学びたい方には、大学への編入学をめざすことも可能です。
 知識と技術をバランスよく習得したい人には、短大はおすすめです。卒業時に短期大学士の学位も取得できるため、給与面でのメリットもあります。

専門学校
 専門学校の最大のメリットは、保育士になるために集中して学べる点です。
 2年または3年間、保育士になることに集中して時間を使い、保育士だけではなく関連資格の取得もめざすことができます。
 以前は、専門学校では幼稚園教諭と保育士のどちらか1つしか取得できませんでしたが、最近では2種類の資格取得が可能な学校も増えてきています。

 デメリットは実践的な技術重視の傾向があり、専門的な知識を身につけることが難しい場合があります。また、大学、短期大学より一般教養科目があまり学べない場合がある点もデメリットと言えます。


 ここまで、卒業と同時に保育士資格を取る方法について解説してきました。
 次に、『2. 試験を受けて保育士資格を取得する方法』を説明します。

2. 試験を受けて保育士資格を取得する方法

 保育士資格の取得方法の2つ目として、「保育士試験を受けて合格する」ことで保育士資格を取得することができます。
 受験資格を満たす必要はありますが、年2回実施される保育士試験を受験し、合格することで、指定保育士養成施設以外の学校の卒業者や、社会人でも保育士資格の取得をめざすことができ、幅広い人に保育士としての道が開かれています。
(保育士国家試験については、全国保育士養成協議会のWebサイトにて詳しく説明されていますので、受験を検討している人は確認することをおすすめします)
 ▶参考:保育士になるには?|厚生労働省ハローミライの保育士
 ▶参考:保育士試験を受ける方へ
 続いて、保育士試験の内容についても少し触れておきます。

 保育士試験は、筆記試験と実技試験で行われます。
 筆記試験の問題は「保育原理」「教育原理及び社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」の8つの科目があります。8科目全て合格することで、実技試験に進むことができます。
 実技試験の問題は「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」の3分野から2分野を選択します。
   ▶参考:保育士試験を受ける方へ

保育士資格を取得した後について

 最後に、保育士資格を取得できた後についても少し触れておきます。

 保育士資格を取得した後、指定された都道府県で登録の申請を行うと、保育士証が交付されます。
 保育士証が交付されて初めて保育士と名乗って働くことができます。
 逆に、保育士登録をしていないと保育士として働くことはできません。保育士資格を取得していても、保育士登録がない状態で「保育士」と名乗って働くと、罰則の対象になりますので注意しましょう。
   ▶参考:保育士の登録

まとめ

 ここまで、保育士になるための条件や資格を取得する方法について解説してきました。
 大学・短期大学・専門学校に進学するのか、保育士試験を受験するのか。
 進学先によってさまざまな特徴がありますので、十分検討したうえで、自分にあった進路を選択しましょう。

 関西女子短期大学 保育学科では、保育士資格以外にも「幼稚園教諭二種免許状」をはじめ、「准学校心理士資格」「幼稚園・保育園のためのリトミック指導資格1級・2級」「こども音楽療育士」など、さまざまな資格を取得することが可能です。
 また、小児科病棟での5日間の病棟保育実習も経験できます(短期大学の指定保育士養成施設では唯一実施)
 2024年度の入学生からは、2年間と同じ学費で3年間学べる長期履修制度が始まりました。自分のペースでじっくりと保育の専門性を身につけたい方には、関西女子短期大学 保育学科をおすすめします。

 最後になりますが、保育業界は長く人材不足が続いている状態です。
 保育所で働きたくて保育士資格を取得する方が多いかと思いますが、保育所以外にも「児童福祉施設」「民間の施設」「ベビーシッター」「企業内託児所」など保育士の活躍の場は多く、活躍の方法も増えています。
 年々ニーズも高まっているため、保育士資格があれば結婚・出産後の再就職に困ることもなく、いつでも働くことができます。

 子どもが好き!という人は、ぜひ、保育士をめざしてみませんか?

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