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保育士の資格の取り方は?高校卒業後の進路をご紹介
  • 2024.11.13

 保育士の資格を取るには、保育士養成課程のある学校を卒業する方法と保育士試験を受ける方法の2パターンがあります。

 この記事では、保育士になりたいけど保育士の資格を取得する方法が分からないという高校生に向けて、資格の取り方について詳しく解説します。

 保育士試験の内容も合わせてご紹介しますので、進路選びの参考にしてみてください。

目次

保育士の資格を取得する方法は?

 保育士になるには、保育士資格を取得する必要があります。
 資格を取得したあとは各都道府県の保育士登録による手続きを行い、保育士証が交付され、保育士として仕事を行うことができます
 
 保育士資格を取得するには、以下の2つの方法があります。
 ①保育士養成学校を卒業する
 ②保育士国家試験に合格する
 それぞれの方法について詳しく解説していきます。

保育士資格の取り方①:保育士養成学校を卒業する

 保育士養成学校で必要な課程を履修し、卒業することで、保育士国家試験を受けなくても保育士資格が取得できます。
 保育士養成学校とは、厚生労働大臣が定める保育士養成課程のある大学や短期大学、専門学校のことです。そのなかでも、保育士養成課程のある大学・短期大学への進学がおすすめです。
 以下では、それぞれの保育士養成学校の特徴について紹介します。

4年制大学の特徴

 保育士養成課程のある大学の指定された学部学科を卒業すれば、保育士資格が自動的に取得できます。
 在学期間が4年間と、2年制の短期大学や専門学校に比べて長いのが特徴で、4年かけてゆっくりと勉強するので、一般教養に加えて子どもの心理や障がい児などの特定の分野についてもより深い知識の習得が可能です
 さらに、時間的な余裕があることや、保育士以外の資格を取得することも可能です
 しかし一方で、在学期間が長いため、学費が短期大学や専門学校に比べると割高になることと、保育士になるための時間が倍かかるのがデメリットといえます。
 

短期大学の特徴

 保育士養成課程のある短期大学の指定された学部学科を卒業すれば、保育士資格が自動的に取得できます。
 在学期間が2~3年間と、4年制の大学に比べて短期間に集中して保育士資格が取得できるのが特徴です。特定の分野についての知識の習得に加えて一般教養も学ぶことが可能です。
 ただし、専門科目、実技科目、実習など幅広い知識を短期間に学ぶため、時間に追われることも多く、時間的に余裕がないのがデメリットです。そのため、2年間の学費で3年間、余裕をもって学ぶことができるよう、長期履修制度を導入している短大もあります。
 しかし、在学期間が短いため、学費の負担が大学に比べるとはるかに低く、専門学校と違って卒業時に短期大学士の学位も取得できるため、給与面のメリットがあったり、さらに深く学びたいと感じた時に大学への編入をめざすことも可能です。知識と技術をバランスよく習得したい人には、短大はおすすめだといえるでしょう。
 また、伝統のある短期大学では、実習やボランティア活動を通して地域の保育施設からの信頼があることも多く、学校に直接求人が寄せられることも多くあります。

専門学校の特徴

 在学期間が2年間と、短期間に集中して保育士資格が取得できるのが特徴で、専門的なカリキュラムで保育士に関する知識・技術のみを学ぶため、効率よく学習でき、保育士になることに集中できるのがメリットで、実践に特化したカリキュラムが多いと言われています。
 また、在学期間が短いため学費の負担が大学に比べるとはるかに低いのも魅力です
 ただし、実践的な技術重視の傾向があり、専門的な知識を身につけることが難しい場合があります。大学、短期大学より一般教養の学習が少ない場合がある点もデメリットと言えます。

保育士資格の取り方②:保育士国家試験に合格する

 保育士資格の取り方の2つ目として、「保育士国家試験を受けて合格する」方法について解説します。
(保育士国家試験については、全国保育士養成協議会のWebサイトにて詳しく説明がされていますので、受験を検討している人は確認することをおすすめします)

 まず、注意すべき点は受験資格で、最終学歴によって異なります。
 また、保育士養成学校を卒業して保育士資格を取得するのに比べて、筆記試験と実技試験ともに専門的な知識が求められるため、全国的に合格率は低い傾向にあるようです。令和4年度の保育士試験の合格率は約30%でした。
 
 保育士国家試験は、年2回実施され、筆記試験と実技試験で構成されています。
 受験料は12,950円(内訳:受験手数料12,700円+受験申請の手引き郵送料250円)です。(2023年4月1日時点)

保育士試験の受験資格について

 保育士試験の注意すべき点は受験資格で、最終学歴によって異なります。
 受験資格は以下の通りです。(2023年4月1日時点)

大学・短期大学を卒業した場合
 受験資格は以下の通りです。
 大学・短期大学を卒業した人は、保育士とは関係のない学部・学科でも、受験することが可能です。

専門学校を卒業した場合
 専門学校を卒業した人は、保育士とは関係のない学校でも、以下の条件を2つとも満たしている場合、受験することが可能です。
  ・学校教育法に基づいた専修学校であること
  ・修業年限2年以上の専門課程を卒業していること
 
 上記2点のうち1点でも満たされていない人は、以下の条件を満たしている場合には受験することが可能です。
  ・1991年3月31日以前に高校を卒業
  ・1996年3月31日以前に高校の保育科を卒業

高校を卒業した場合
 高校を卒業した人は、卒業年度によって受験資格の有無が変わります。以下の条件を満たしている場合、受験することが可能です。
  ・1991年3月31日以前に卒業
  ・1996年3月31日以前に保育科を卒業
 
 また、1991年4月1日以降に卒業した人は、保育所などの児童福祉施設で実務経験を積んで、受験申請の時点で以下の条件を満たしている場合に受験することが可能です
  ・2年以上勤務し、かつ総勤務時間数が2,880時間以上

 出典:全国保育士養成協議会

保育士試験の免除制度について

 保育士試験は、以前の試験で合格した科目がある人や、所有している資格によって科目が免除される人がいます。
 免除制度については以下の通りです。

筆記試験の科目を一部合格している人
 合格した科目は3年間有効です。合格できなかった科目は試験で再び受験することができます。年2回の試験実施や合格科目の免除など、チャンスが多い資格といえます。

幼稚園教諭免許を所有している人
 幼稚園教諭免許は1種・2種・専修とありますが、種類に関係なく幼稚園教諭免許を持っている人は、筆記試験においては「保育の心理学」「教育原理」の2科目が、実技試験においてはすべての科目が免除となります。
 
 また、指定保育士養成施設を卒業、または科目等履修により、筆記試験に対応する科目を習得した場合は、筆記試験科目が免除されます。修得した科目が筆記試験科目に対応するかは、学校に確認してみましょう。

幼稚園教諭免許を所有している人の特例制度について
 幼稚園教諭の免許を持っている人は「保育士資格取得特例」という特例制度があります。
 幼稚園教諭の免許を所有しており、かつ3年以上、及び4320時間以上の実務経験がある場合は、筆記試験において「保育の心理学」「教育原理」だけでなく、「保育実習理論」も免除されます。
 こちらの制度は期限があるので要注意です。

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格を所有している人
 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のいずれかの資格を持っている人は、筆記試験において「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の3科目が免除されます。

 出典:全国保育士養成協議会

保育士試験の難易度・合格率は?

 保育士試験は果たして難しいのでしょうか。ここでは、保育士試験の難易度や合格率についてご紹介します。
 2020年から2022年にかけての3年間の受験者数と合格者数、合格率については以下の通りです。
  受験者数 合格者数 合格率
2022年令和4 79,378人 23,758人 29.9%
2021年令和3 83,175人 16,600人 20.0%
2020年令和2 44,914人

10,890人

24.2%
 
 直近3年間での合格率は25%前後であり、4人に1人が受かる計算になります。難易度的には難しい試験といえます。

 保育士試験の合格率が低い理由として、以下の理由が考えられます。
 ・大学や短期大学の卒業者は誰でも試験を受けることができる
 ・9科目全てにおいて6割以上正解する必要があり、試験自体の難易度が高い
 
 合格率だけを見ると難しく感じますが、合格した科目は3年間有効などチャンスもあります。

まとめ

 この記事では、保育士の資格の取り方について解説しました。 

 保育士国家試験を受験する方法もありますが、専門的な知識と技術を身につけたうえで、安心して就職したい人には保育士養成学校へ通うことをおすすめします。
 保育士養成学校を選ぶ基準は、学費や家からの距離も大切ですが、カリキュラムや他に取得できる資格などもぜひチェックしておきたいところです。
 納得できるまで調べて、自分に合った学校を選びましょう!

 関西女子短期大学 保育学科では、保育士資格以外にも「幼稚園教諭二種免許状」をはじめ、「准学校心理士資格」「幼稚園・保育園のためのリトミック指導資格1級・2級」「こども音楽療育士」など、様々な資格を取得することが可能です。
 また、小児病棟での5日間の病棟保育実習も経験できます(短期大学保育士養成施設では唯一実施)
 2024年入学生からは、2年間の授業料で3年間学べる長期履修制度も始まります。自分のペースでじっくりと保育の専門性を身につけたい方には、関西女子短期大学 保育学科をおすすめします。

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