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保育士になる方法を解説!ピアノは弾けないとダメ?
  • 2023.10.13

 保育士はピアノを弾けないとなれないの?
 保育士は幼稚園の先生とは違うの?
 保育士は保育所以外でも働ける場所はあるの?

 上記のように、保育士について「子どものお世話をする人」というイメージはあっても、具体的にどういった仕事なのかきちんと理解できていない人も多いのではないでしょうか。

 そこでこの記事では、保育士の仕事内容から保育士になる方法まで詳しく解説します。

 また、保育士として働くメリットや必要な力、向いている人などもあわせて紹介しますので、ぜひ進路決定の参考にしてみてください。

目次

保育士とは?

 保育士は、保育に関する専門知識を活かして、子どもの保育と、保護者に対する保育のアドバイスを行います。
 子どもが心身ともに健やかに、そして社会に適応するように成長の手助けをします。
 また、保護者に対して、子どもの育児に関する支援を行うことも仕事の一つです。
 
 保育士は、子どもの人格が形成される大切な時期に、保護者と同じくらいのたくさんの時間を子どもと過ごします。
 子どもが好きだからという理由だけでは務まらない責任の重い仕事ですが、子どもの成長を支えるやりがいのある仕事でもあります。

保育士の仕事内容は?

 保育士の仕事内容は、オムツ替えや食事など身の回りの世話に始まり、保育の計画と準備、散歩、絵本の読み聞かせ、保護者へ子どものその日の姿を伝えること、保護者への育児アドバイスなど多岐にわたります
 たとえば子どもの発達段階や季節に合わせたイベントは、子どもたちが楽しめるような企画とアイデアを出し合い、事前準備をして心が躍る時間を共有します。
 
 また、保育士は子どもの体調の変化や事故の防止に注意を払う必要があります。
 たとえ些細な異変であっても、気付いたら迅速に対応しなければなりません。
 たとえば、初めて行く場所や初めての経験に強いストレスを感じてしまう子どももいます。
 子どもは人に自分の気持ちを正確に伝えることができません
 毎日子どもを注意深く観察して、少しの異変にも気付くことが大切です。

保育士の就職先は?

公立保育所と私立保育園(所)の違いは?

 保育所には「公立・私立」があります。大きな違いは運営元です。公立保育所は地方自治体が運営しているのに対し、私立保育園(所)は社会福祉法人や学校法人などが運営しています
 それぞれの特徴は以下の通りです。 
  公立保育所 私立保育園(所)
運営元 地方自治体(市区町村) 社会福祉法人、学校法人、民間企業など
必要な資格 地方公務員、保育士資格  保育士資格
保育内容 各地方自治体による基準に沿った保育内容  各施設で設定した保育内容
年齢制限 公務員受験の年齢制限は30歳ごろまで なし
異動  あり  なし
 公立の保育所では、保育士は地方公務員になります
 公務員保育士とは、保育士資格を取得し、かつ公務員試験に合格する必要があります。
 給与や待遇がよく人気があるので、倍率も高いです。 

認可保育所と認可外保育所の違いは?

 保育所には、「認可・認可外」の区分があります。
「公立・私立」と混同しやすいので要注意です。
「認可・認可外」の違いは、児童福祉法に定められた国の設置基準を満たしているかどうかという点です。
 たとえば、保育される子どもの人数に対して、保育士の人数や、施設の広さ、設備などが決められています
 
 認可保育所は、国の設置基準をクリアしており、公立・私立(社会福祉法人立・株式会社立など)があります。
 認可外保育所は、たとえばベビーホテルや企業内託児所などを指し、基本私立のみです。

保育士になるには?高校卒業後の進路を解説

 保育士になるには、保育士資格を取得する必要があります。
 そして、取得したあとは各都道府県の保育士登録による手続きを行い、保育士証が交付され、保育士として仕事を行うことができます
 
 保育士資格を取得するには、以下の2つの方法があります。
 ①保育士養成学校を卒業する
 ②保育士国家試験に合格する
 それぞれの方法について詳しく解説していきます。

①保育士養成学校を卒業する

 都道府県知事が指定する大学や短期大学、専門学校に進学して、厚生労働大臣が定める保育士養成課程を履修し、卒業することで保育士資格を取得できます。
 
 大学や短期大学、専門学校に進学した人は、「保育士」と「幼稚園教諭」の資格を合わせて取得する人が多いです。
 どちらの資格も持っていると、幼稚園や認定こども園でも働くことができるので、進路の選択の幅が広がります。

②保育士国家試験に合格する

 保育士国家試験は、筆記試験と実務試験の2種類です。
 現在は保育士不足を解消するために、試験は前期(4月)と後期(10月)で年に2回行われています。
 但し、保育士養成学校を卒業して保育士資格を取得するのに比べて、筆記試験と実技試験ともに専門的な知識が求められるため、全国的に合格率は低い傾向にあるようです。(2021年度【令和3】保育士試験の合格率は20.0%※)
 ※出典:厚生労働省保育士試験の実施状況

保育士に将来性はある?
 少子高齢化で子どもの数が年々減少してきている日本。そのため、保育士の需要は減っていると思われがちですが、実際は共働き世帯が増えているので需要は増加しています。
 以下の図は、保育士の有効求人倍率の推移(全国)を表したものです。
 
 
 グラフには掲載されていませんが、厚生労働省の「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」によると、令和3年の保育士の有効求人倍率は2.5倍(対前年比で0.22ポイント下落)となっていますが、 全職種平均の1.03倍と比べると、依然高い水準で推移していることがわかります
 
 また、厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」によると、2018年の保育士登録者数は約154万人で、そのうち約59万人は保育所などの社会福祉施設に従事しています。
 しかし、残りの約95万人は潜在保育士と呼ばれ、保育士の資格は持っていても、社会福祉施設で働いていません。
 ゆえに現在、日本は少子化が問題ですが、実際はそれ以上に保育現場では保育士不足が深刻となっており、優秀な人材が求められています。

保育士として働くメリットは?

 ここでは、保育士として働くメリットについて紹介します。
 保育士のメリットは以下の通りです。それぞれについて解説します。
  • 社会から期待されている
  • 子どもたちと共に生活を創ることができる
  • 多様な子どもたちの発達を支援することができる
  • 自分の特技が活かせる(スポーツ、音楽演奏、美術)
  • ライフスタイルにあわせて働くことができる

社会から期待されている

 昨今、共働き世帯が増えていることもあり、「子育て支援」や「待機児童」の問題などが、各家庭だけでの問題ではなく、日本全体の社会問題になっています。保育士という存在は、さまざまな社会的貢献が期待されています。

子どもたちと共に生活を創ることができる

 子どもの成長は驚くほど早いです。昨日までできなかったことが今日できたりします。
 そんな子どもたちの成長をそばで感じながら、日々の生活を創りあげることができるのは魅力の一つです。

多様な子どもたちの発達を支援することができる

 子どもの行動には必ず意味があります。個々の特性を把握した上で子どもの成長を促すことで、保育士も成長することができます。

自分の特技が活かせる(スポーツ、楽器演奏、歌唱、美術)

 保育士の業務には、自分の特技が活かせる場面がたくさんあります。
 スポーツ経験があれば、毎日子どもたちと全力で身体を使って色々な遊びを楽しめます。
 楽器演奏や歌うことが得意な人は、ぜひ子どもたちに披露してください。色々な音楽や楽器に触れることは、子どもたちにとって貴重な経験に繋がります。
 絵を描いたり工作が得意な人は、手作りおもちゃや、保育室に飾る小物、保育教材などを作るのに役立ちます。

ライフスタイルにあわせて働くことができる

 保育士は、パート、派遣社員、正社員などさまざまな勤務形態で働くことができます。
 子育ての時期だけ時短勤務など、自身のライフスタイルに合わせて働き方を変えられます

保育士として働くために必要な力は?

 ここでは、保育士として働くために必要な力を紹介します。
 できないことがあっても、これから意識して身につけていけば何も問題はありません。
 ぜひここで必要な力を確認して、できることから始めてみてください。

 保育士として必要なことは、「子どもが好き」「子どもの成長を支えたい」という思いです。
 ただ、保育をより豊かにする「技術」は色々あります。その一部を紹介します。
  • 子どもを知り、理解しようとする気持ち
  • 特技をひとつ
  • 自己管理能力

子どもを知り、理解しようとする気持ち

「子どもに寄り添う保育」を実践するために、子どもを知ること、理解することは不可欠です。そのために(保育士・幼稚園教諭)養成校では、「子ども」を学ぶ科目をたくさん準備しています。楽しみながら「子どもの心理」や「子どもの発達」を学びます。 

特技をひとつ

 ピアノ、楽器演奏、ダンス、描くこと、作ること、スポーツ、語学……など、「特技」があると保育の幅が広がり豊かになります。
 そしてなにより、あなた自身の余裕に繋がります。

 もし今、ピアノが弾けない、特技がない、という人でも大丈夫です。ピアノは養成校に入学してから学ぶことができますし、ダンスや工作の授業がある養成校も多いです。まずは「どういうことが好き」なのか、想像してみることからはじめると良いかと思います。

自己管理能力

 子どもは風邪などにかかりやすいと言われています。その理由は、子どもは感染の経験が少ないため、体の中の免疫も少なく、抵抗力が低いからです。
 自身がインフルエンザや風邪にかかって、免疫力の低い子どもたちにうつしてしまっては大変です。保育士は、人一倍感染症の予防には気を付けなければなりません
 
 また、体力が底なしの子どもたちと遊ぶのは案外体力がいります。
 前日に夜更かしをして、体調が万全ではない状態で子どもたちとは向き合えません。
 保育士にとって自己管理能力は必須といえます

保育士に向いている人は?

 では、どんな人が保育士に向いているのでしょうか。 
 保育士に向いている人は以下の通りです。それぞれについて解説します。
  • 子どもが好きな人
  • 人の気持ちを受けとめる努力ができる人
  • 公平に人と関わることができる人
  • 子どもから学ぶ、謙虚な姿勢を忘れない人

子どもが好きな人

 保育士の第一条件とも言えますが、子どもが好きな人は保育士に向いているでしょう。
 子どもたちの笑顔をみると「よし、頑張ろう!」と背中を押されます。

人の気持ちを受けとめる努力ができる人

 子どもを中心に据えて、子どもの気持ちを受けとめることが、保育士に最も必要なことと言えます。
 また、保護者の困りごとや、職場の同僚との関係においても、他者の気持ちを受けとめることが大切です。

公平に人と関わることができる人

 子どもたちに対して、「公平に」接することは大切なことです。気に入った子ども、気の合う子ども……接し方に差ができることは大きな問題です。保護者との関係も同様です。

子どもから学ぶ、謙虚な姿勢を忘れない人

 学生時代は「子ども」を学びます。そして、保育士は日々「子ども」から学びます。
 あなたの思い通りに子どもを管理することは保育ではありません。子どもと共に生活を創り、遊びを通して子どもの発達を支援するために、保育士はこの謙虚な姿勢を忘れません。

まとめ

 この記事では、保育士の仕事内容からなり方、向いている人まで紹介しました。
 
 保育士は、子どもたちの保育や、保護者へのアドバイスなど大変な仕事ではありますが、たくさんの子どもの成長を見届けるやりがいも多い仕事です。
 
 自分の得意なことや、やりたいことを見直して、将来について考えてみましょう。