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歯科衛生士
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- 勤務先
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歯科医院の診療補助を行う歯科衛生士は、国家資格が必要な職業のひとつです。大学・短期大学や専門学校で3年以上勉強し、年1回の歯科衛生士国家試験を受験する必要があります。一見すると、歯科衛生士になるにはハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、実は歯科衛生士の就職率は9割を超えており、歯科衛生士養成機関に入学すれば、ほとんどの人が歯科医院や総合病院の歯科口腔外科で働くことができます。本記事では、歯科衛生士の就職率や「仕事環境は?」といったポイントについてわかりやすく解説していきます。
目次
歯科衛生士の就職率はどのくらい?

歯科衛生士は、歯や歯ぐきにたまった歯垢(しこう)や歯石を取り除く機械的歯面清掃や、正しいブラッシングの仕方などを教える歯科保健指導など、歯や口腔の健康に関わるスペシャリストです。歯科衛生士の就職率はどのくらいなのでしょうか。ここでは、歯科衛生士の就職率や、求人倍率からみた歯科衛生士の需要を紹介します。
歯科衛生士の就職率は?
全国歯科衛生士協議会が、176校の歯科衛生士養成機関を対象に行った調査(令和3年度)によると、歯科衛生士の就職率は約91.4%です。つまり、大学・短期大学や専門学校を卒業した歯科衛生士の9割以上が、歯科医院や総合病院の歯科口腔外科などで活躍しています。[注1]
大学・短期大学や専門学校によっては、卒業者のほぼ100%が歯科衛生士として活躍しているケースもあります。たとえば、関西女子短期大学の歯科衛生学科の就職実績(2021年5月1日時点)をみると、卒業者の就職率は98.9%です。また、専門職比率は100%で、卒業者の全員が歯科衛生に関わるスペシャリストとして活躍しています。[注2]
このように、歯科衛生士はきちんと大学や専門学校を卒業すれば、ほとんどの人がなれる職業です。
[注1]全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」P5
[注2]関西女子短期大学 受験生応援サイト「歯科衛生学科」
令和3年度 | |
卒業者数 | 6,978人 |
就職者数 | 6,377人 |
就職率 | 91.4% |
大学・短期大学や専門学校によっては、卒業者のほぼ100%が歯科衛生士として活躍しているケースもあります。たとえば、関西女子短期大学の歯科衛生学科の就職実績(2021年5月1日時点)をみると、卒業者の就職率は98.9%です。また、専門職比率は100%で、卒業者の全員が歯科衛生に関わるスペシャリストとして活躍しています。[注2]
このように、歯科衛生士はきちんと大学や専門学校を卒業すれば、ほとんどの人がなれる職業です。
[注1]全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」P5
[注2]関西女子短期大学 受験生応援サイト「歯科衛生学科」
歯科衛生士の需要は?
むし歯(う蝕)や歯周病は歯科の二大疾患と呼ばれ、人が歯を失う原因の90%以上を占めているといわれています。そのため、近年は歯や口腔の健康への関心が高まり、歯科予防処置を担当する歯科衛生士の需要も増えています。
歯科医院は日本全体で67,741件あり、全国どこでも歯科衛生士として働けます。さらに、歯科衛生士の有効求人倍率(2021年度)は22.6倍と、ほとんどの歯科医院が歯科衛生士を求めているのが現状です。[注3]
歯科衛生士は就職率が高いだけでなく、需要が大きい職業でもあります。安定したキャリアを形成したい人は、歯科衛生士になるのがおすすめです。
[注3]日本歯科衛生士会「歯科衛生士6つの魅力」
歯科医院は日本全体で67,741件あり、全国どこでも歯科衛生士として働けます。さらに、歯科衛生士の有効求人倍率(2021年度)は22.6倍と、ほとんどの歯科医院が歯科衛生士を求めているのが現状です。[注3]
歯科医院の数 | |
全国 | 67,741件 |
東京 | 10,684件 |
愛知 | 3,704件 |
大阪 | 5,452件 |
福岡 | 3,074件 |
歯科衛生士は就職率が高いだけでなく、需要が大きい職業でもあります。安定したキャリアを形成したい人は、歯科衛生士になるのがおすすめです。
[注3]日本歯科衛生士会「歯科衛生士6つの魅力」
歯科衛生士は幅広い場所で活躍できる!
また、歯科衛生士になれば、幅広い職場で活躍できます。歯科衛生士の主な勤務先は、歯科医院や総合病院の歯科口腔外科です。しかし、介護施設、地域の保健所や保健センター、デンタルケアに関連した医療機器メーカーなど、病院以外で働く歯科衛生士もたくさんいます。一度国家資格を取得すれば、生涯にわたって活躍できるのも歯科衛生士の強みです。それぞれの勤務先の特徴や主な仕事については、次の項目で詳しくみていきます。
歯科衛生士の就職先は?活躍できる場所を紹介

歯科衛生士の主な就職先は以下のとおりです。
- 歯科医院
- 病院
- 介護施設
- 訪問歯科診療
- 保健所
- 医療機器関連の企業
歯科医院
歯科衛生士の免許を取得した人のほとんどは、歯科医院や歯科クリニックで働きます。歯科医院では、主に歯科予防処置、歯科保健指導、歯科診療補助の3つの業務を担当します。
また、小規模の歯科医院の場合は、患者さんの受付や会計、診療報酬の請求事務などを歯科衛生士が担当する場合があります。
業務内容 | |
歯科予防処置 | 機械的歯面清掃やフッ化物塗布など、むし歯(う蝕)や歯周病を予防するための処置をすること |
歯科保健指導 | 正しい歯のみがき方や、むし歯(う蝕)や歯周病の予防につながる生活習慣など、歯の健康を取り戻すための助言をすること |
歯科診療補助 | 歯科医師の指示を受け、歯科診療がしやすいようにサポートすること |
また、小規模の歯科医院の場合は、患者さんの受付や会計、診療報酬の請求事務などを歯科衛生士が担当する場合があります。
病院
歯科衛生士によっては、総合病院の歯科口腔外科で働く人もいます。歯科医院や歯科クリニックと違って、より難易度の高い外科手術のサポートや、入院患者の口腔ケアを歯科衛生士が担当することがあります。歯科医師だけでなく、看護師や他の医師などと協働し、チーム医療の最前線で働きたい人におすすめの職場です。
介護施設
最近では、高齢者や要介護者を対象とした口腔ケアや、摂食・嚥下機能訓練(嚥下体操)を歯科衛生士が担当するケースが増えています。介護施設や老人福祉施設に勤務し、地域社会に貢献することも可能です。歯科医院と違って、義歯や入れ歯の洗浄や、寝たきり状態の方の乾燥した口腔ケアなど、介護施設ならではの業務があります。介護施設で5年以上勤務した歯科衛生士は、高齢者や要介護者のケアプランを作成するケアマネジャーの資格を得られるため、社会福祉に強い関心がある人におすすめです。
訪問歯科診療
足腰が弱った高齢者や、老人ホームに入所する要介護者は、自分で歯科医院に通うことができません。そのため、自宅や老人ホームに出張し、むし歯治療や口腔ケアを行う訪問歯科診療サービスが増えつつあります。比較的新しく登場したサービス形態であり、歯科衛生士の需要が高いのが特徴です。業務内容は歯科医院とほとんど同じですが、自宅や老人ホームに訪問する点や、高齢者の家族を対象とした生活指導を行う点が違います。
保健所
少数ではありますが、地域の保健所や保健センターで働く歯科衛生士も増えています。主に市区町村の母子保健事業に携わり、乳幼児を対象とした歯科健診や、母親を対象としたブラッシング指導などを行います。採用区分としては公務員に当たるため、待遇面が安定しているのが特徴です。地域社会に貢献したい人や、乳幼児の歯や口腔の健康を守りたい人に適しています。
医療機器関連の企業
歯科衛生士によっては、デンタルケア関連の医療機器メーカーや商社で働く人もいます。歯科衛生に関する専門知識を活かし、デンタルケアグッズの企画や開発、歯科医院やドラッグストアへの営業活動などを担当します。医療現場よりも、一般企業で働きたい人におすすめです。
ただし、一般企業で働く場合は学士や短期大学士などの学位が必要となることも多いため、注意が必要です。
ただし、一般企業で働く場合は学士や短期大学士などの学位が必要となることも多いため、注意が必要です。
歯科衛生士として働くならどんな就職先がよい?選び方のポイントを紹介

歯科衛生士として働くのであれば、どのような視点で就職先を選べばよいのでしょうか。就職先の選び方のポイントは3つあります。
- ケアしたい対象を決めておく
- 給与や賞与をチェックしておく
- 将来のことも考えておく
ケアしたい対象を決めておく
就職先によって、歯科衛生士がケアする対象は異なります。たとえば、地域の人にケアを提供したい場合、保健所や保健センター、介護施設などが選択肢に入ります。また、同じ地域医療でも、保健所では乳幼児や母親、介護施設では高齢者や要介護者が主なケア対象です。歯科衛生士としてどんな人をケアしたいのか、自分の興味や考え方を前もって明らかにしておきましょう。
給与や賞与をチェックしておく
歯科衛生士に限らず、就職先を選ぶときは給与や賞与が重要なチェックポイントになります。
厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)によると、歯科衛生士の年収の全国平均は386.7万円です。また、ハローワークの求人統計データをみると、求人賃金(月額)の平均は23.8万円になっています。[注4]給与や賞与をチェックするときは、歯科衛生士の平均年収などを参考にしましょう。
ただし、目先の給与額だけで就職先を選ぶのは危険です。「その職場で歯科衛生士としてスキルアップできそうか」「施設の理念や考え方に共感できそうか」など、広い視野を持って就職先を選びましょう。
[注4]厚生労働省「歯科衛生士」
厚生労働省の職業情報提供サイト(jobtag)によると、歯科衛生士の年収の全国平均は386.7万円です。また、ハローワークの求人統計データをみると、求人賃金(月額)の平均は23.8万円になっています。[注4]給与や賞与をチェックするときは、歯科衛生士の平均年収などを参考にしましょう。
ただし、目先の給与額だけで就職先を選ぶのは危険です。「その職場で歯科衛生士としてスキルアップできそうか」「施設の理念や考え方に共感できそうか」など、広い視野を持って就職先を選びましょう。
[注4]厚生労働省「歯科衛生士」
将来のことも考えておく
自分がどんな歯科衛生士になりたいのか、将来のイメージを明確化しておくことも大切です。職場で得られる知識や経験によって、数年後の自分のあり方は大きく変わります。自分のなりたい姿をイメージし、歯科衛生士として成長できそうな就職先を選びましょう。
歯科衛生士として就職するまでの流れ

歯科衛生士になるには、高校生の段階から将来のことを考えておく必要があります。歯科衛生士として就職するまでの流れは以下のとおりです。
- 大学や専門学校で必要なスキルを習得する
- 自分の興味・関心に合わせて就職先を選択する
- 採用面接を受ける
- 歯科衛生士の国家試験を受ける
大学・短期大学や専門学校で必要なスキルを習得する
歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格し、歯科衛生士免許を取得する必要があります。国家試験の受験資格が得られるのは、歯科衛生士養成施設の指定を受けた大学・短期大学や専門学校となります。国家試験の受験資格を得られる学校に通い、歯科衛生士に必要なスキルや専門知識を学びましょう。
自分の興味・関心に合わせて就職先を選ぶ
歯科衛生士養成施設では、短期大学や専門学校の場合は3年間、大学の場合は4年間、歯科衛生士になるためのカリキュラムを修了する必要があります。大学や専門学校で学びつつ、ホームページなどをチェックして、自分の興味・関心に合った就職先をピックアップしましょう。就職先によっては、毎年説明会を開催している場合があります。説明会に参加すれば、歯科衛生士として学べることや経験できることをより詳しく知ることが可能です。
採用面接を受ける
自分の興味・関心に合った就職先が見つかったら、採用面接を受けてみましょう。事前に就職先で求められることを調べておくと、面接官の質問に対してスムーズに対応できます。歯科衛生士は患者さんと会話したり、歯科医師と協力して仕事したりと、コミュニケーション能力やチームワークが求められる職業です。明るくはきはきとした態度で面接に臨むことで、より採用される可能性が高まります。大学や専門学校によっては、講師による面接練習を受けられる場合があるため、不安な人は積極的に利用しましょう。
歯科衛生士の国家試験を受ける
同時並行して、歯科衛生士の国家試験を受けます。国家試験が行われる日程は、毎年3月初旬です。歯科衛生士国家試験は筆記試験で、主に以下の試験科目が出題されます。[注5]
[注5]厚生労働省「歯科衛生士国家試験の施行」
- 人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
- 歯・口腔の構造と機能
- 疾病の成り立ち及び回復過程の促進く
- 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み
- 歯科衛生士概論
- 臨床歯科医学
- 歯科予防処置論
- 歯科保健指導論及び歯科診療補助論
[注5]厚生労働省「歯科衛生士国家試験の施行」
安定した就職率を誇る歯科衛生士としてデビューをめざそう
歯科衛生士の就職率はなんと9割以上にものぼります。歯科衛生士養成機関に指定された大学や専門学校をきちんと卒業すれば、ほとんどの人が歯科衛生士として働くことが可能です。歯科衛生士は雇用市場での需要が高く、歯科医院や総合病院の歯科口腔外科のほかにも、介護施設、訪問歯科診療サービス、地域の保健所や保健センター、デンタルケア関連の医療機器メーカーなどで活躍できます。一度国家資格を取得すれば、生涯にわたって活躍できるのも歯科衛生士の強みです。
歯科衛生士をめざせる大学なら、関西女子短期大学の歯科衛生学科がおすすめです。歯科衛生学科では、歯科衛生士に必要なスキルはもちろん、英語や外国語などの外国語教育や、手話や介護概論などの福祉教育など、幅広い知識を学ぶことができます。少人数制ゼミを学びの中心として、一人ひとりの能力をしっかり伸ばせるのも関西女子短期大学の強みです。
歯科衛生士をめざせる大学なら、関西女子短期大学の歯科衛生学科がおすすめです。歯科衛生学科では、歯科衛生士に必要なスキルはもちろん、英語や外国語などの外国語教育や、手話や介護概論などの福祉教育など、幅広い知識を学ぶことができます。少人数制ゼミを学びの中心として、一人ひとりの能力をしっかり伸ばせるのも関西女子短期大学の強みです。
この記事を書いた人

所属:入試広報部
おこじょ5号
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